新型コロナウイルスの流行について

新型コロナウイルス感染流行に対する緊急事態宣言が発令されました。
清心幼稚園では4月10日に予定されていた令和2年度新入園児の入園式をはじめ進級式、13日からの新学期すべてを延期して臨時休園になりました。新入園児の保護者には全員に電話連絡で、在園児保護者にはメール配信でお知らせいたしました。
 2月末に自粛要請が出され3月2日から臨時休園になったときには、この先いったいどうなってしまうのかと愕然としましたが、その後感染の様子などがしだいに把握できるようになってから、こども達にはあまり深刻な情報が見られなかったので少しずつ冷静さを取り戻しました。
しかしその後も海外からの悲惨な情報、そして国内でも終息に向かうことはなく誰もが知っているタレントの志村けんさんが亡くなり、医療従事者にも感染したり恐怖をより身近に実感するようになりました。また、発症した国内外の発症者の治療体制が具体的に分かってくるとその深刻さがより重く実感でき、もしも自分が感染したらどうなってしまうのかと想像すると、自分は感染したくない、大切な人が感染してはいけないと真剣に考えるようになりました。
今はできるだけ家から出ないように努め、一日も早く流行が終息に向かうように皆が努力しなければなりません。
 さて、こども達がいない幼稚園ですが本当に寂しさがつのります。例年4月当初には様々なお知らせなどの文書類がありますのでそれらは郵送にて保護者宛に送らせていただきます。
その中には新しく担任になった先生からのお手紙もありますが、その先生方もいまは自宅待機になりそれぞれが普段は時間がなくてできない勉強など家でできる研修に励んでいます。いつでもどんな状況でも前向きに捉えて、その時にできることをしていくのみです。
 こども達のことを考えると、毎日なにをしているのだろうと思いますが、こどもは順応性が高いので、最初はもてあましてぐずったりとストレスを溜めますが、やがて自分に許された範囲で活動をして過ごすようになります。
清心幼稚園ではノーテレビデーを設けてノーテレビ運動をしていますが、このような社会状況ではこども達がテレビやビデオ、ゲームやスマホなどを視聴する時間が増えて保護者も悩みながらもあきらめざるを得ないというのが現状なのではないでしょうか。
でも、メディアの視聴がこどもの脳の育ちを阻害するのは確実なことなので、できるかぎり見せない、また見た後は脳の前前頭葉の活動が停止していますから、体を動かして五感を刺激する、屋外の自然物を眺めるなどをして停止していた前前頭葉をすみやかに起こしてやって思考を再開させてください。
こどもも4・5歳くらいになったら、家族の一員として働いてもらうのがいいでしょう。掃除はできます。洗濯物を干したり畳んだりもできます。お料理はこどもが大好きな作業ですからできることから教えてあげて覚えてもらいましょう。保護者と一緒にする作業は何でもこどもは喜んでしますし、「すごい!できるんだね。」「とってもたすかるわ」「えらいね」などと褒めてもらって大きな達成感を得ることでしょう。小学校中学年くらいでパンケーキ・お好み焼き・目玉焼きくらいは作れるようになるといいですね。
こんな状況で一から十までとにかくすべて背負ってちゃんと管理しようとすると親はストレスで疲弊しそのあげく、ついヒステリックになって手をあげてしまったりなどとならないように、なんでも親がやってあげるのではなくて、こどもも年齢に合わせて自分の生活は自分で考えて管理するように、簡単な調理ができるように、中学生くらいになったなら親が疲れていたらお茶をいれてくれたり、さらにご飯とお味噌汁くらい作ってくれるようなこどもに育てたいではありませんか。学校が無ければなにも進まない、勉強だけがこどもの仕事、では使える社会人にはなれません。人としての学びであり育ちであり家庭の教育力が発揮されるところです。この期間を賢く有意義に過ごしていきましょう。
 いつ緊急事態宣言が解除されるのかは不透明なところですが、幼稚園が再開される見通しが具体的になりましたらすぐに皆様にお知らせいたしますので、皆様どうぞお元気でくれぐれも新型コロナウイルスに感染しないようにお過ごし下さい。


                     令和2年4月9日 清心幼稚園 園長 清水進


2020年04月09日